今から約30年前のお話。
昨年までフェデラーのコーチを務めていた、ステファン・エドバーグと、
ジョコビッチのコーチを務めているボリス・ベッカーの試合が
印象的で忘れられない!と熱心に話してくれたお友達のお話を紹介したいと思います。
印象的なウィンブルドンの決勝!
ウインブルドンで一番印象に残っているのは、
1988年から3年連続で決勝で顔を合わせた、
エドバーグとベッカーのライバル対決です。
1985年に大会史上最年少で優勝し、
翌年も当時のランキング1位のレンドルを破り、
2連覇を達成と、当時もはや芝の王者の風格も漂うベッカー。
そんなベッカーに、華麗なサーブアンドボレーで
芝の貴公子とも呼ばれたエドバーグが挑む図式となったこの顔合わせです。
1988年の決勝の試合を見て、私は、
あの華麗なボレーとステップワーク、
切れ味鋭いバックハンドに魅了され、エドバーグのファンになってしまいました。
私自身もテニスを少しだけやっていたのですが、
当然私のラケットはエドバーグと同じ、
黒いボディーに茶色のグリップのウィルソンプロスッタッフを使っていました。
そんなに頻繁にテニスをするわけでもなかったのですが、
同じラケットを持ち、気分だけでも
芝の貴公子になりたかったのです。
実際には、近郊に芝のテニスコートなどもありませんでしたし、
エドバーグのようなスピード感でネットに
出ることもできなかったので、あくまでも気分だけではありましたが…。
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エドバーグトベッカー、勝利の行方は?
当時のベッカーは下馬評でも断トツの優勝候補であり、
1988年の時点では、エドバーグよりも1歩も2歩も
先を行っていたような印象がありました。
しかし、1988年の決勝では、エドバーグが
ベッカーを破ったのです。
このことにより、一躍ライバルに躍り出た印象を持ちました。
そして、翌年はベッカーが雪辱しました。
しかし、3度目の対決となった1990年の決勝はまた壮絶なもの!
エドバーグが2セットを先取するも、次の2セットを
ベッカーが取り返し、最終セットもベッカーが先に
エドバーグのサービスをブレイクしました。
エドバーグにしてみれば絶体絶命のピンチになるのですが、
エドバーグはここから挽回し3度目の対決を制したのです。
ややもすると、そのプレースタイルや線の細さから
うまさは目立つものの、力強さや泥臭さといったものが
ないような印象を与えていたエドバーグですが、
この年の決勝の逆転劇によって、テニス界に
確固たる地位を築いたのではないでしょうか。
その後、長らくランキング1位だったレンドルから
1位の座を継承したのはエドバーグでした。
この3度目の決勝以降、エドバーグは
ランキング1位として絶頂期を迎えますが、
ライバルのベッカーはグランドスラムのタイトルも
全豪オープンの1度だけとなり、どうしても勝ちきれない試合が続いてしまいます。
永遠のライバルとなった2人の、まさに分岐点ともなった試合で、
長いウィンブルドン史上でも、私の中ではNO.1の試合となりました。
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